ドラマ「東京タワー」|江國香織の映像化おすすめ原作書籍

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2024年4月スタートの永瀬廉さん主演のドラマ「東京タワー」。

このドラマは直木賞作家・江國香織さんの恋愛小説「東京タワー」を連続ドラマ化した作品になります。

今回はこれまでにドラマや映画になった江國香織さんのおすすめ書籍をご紹介します。

東京タワー

大学生の透は恋の極みにいた。年上の詩史と過ごす甘くゆるやかなひと時、世界はみちたりていた。

恋はするものじゃなく、おちるものだ。透はそれを、詩史に教わった。

一方、透の親友・耕二は、女子大生の恋人がいながらも、蠱惑的な喜美子に夢中だった。彼女との肉体関係に……。

夫もいる年上の女性と大学生の少年。東京タワーが見守る街で、二組の対極的な恋人たちが繰り広げる長篇恋愛小説。

東京タワーの口コミ

羨ましさを推進力とした甘美な作品。

江國ワールドならではの透明感。村上春樹と比べ修飾が簡潔。

少し難しい単語も織り交ぜられて軽薄感薄れ、自尊心を保てる。

全てを語らない小説の手法に感心した。情緒不安定とも思える35歳喜美子の情動は、受入れてもらえる相手あっての事なんだろう。

小説ならではの、羨ましさを推進力とした甘美な作品。

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間宮兄弟

兄・明信は酒造メーカー勤務。弟・徹信は小学校の校務員。

30歳をすぎても一緒に暮らすこの兄弟は、女性にはもてませんが、日常を楽しむ術をよく知っています。

職場の女性を誘ってホームパーティを開いたり、上司の不倫の恋にまきこまれたりするなかで、兄弟の気持ちは揺れ動きます。

ふたりのほのかな恋の結末は? 江國香織が初めて繊細な男ゴコロを描いて、森田芳光監督による映画化も話題になった作品の待望の文庫化です

間宮兄弟の口コミ

誠実な男性ほどモテないが気にするな!

兄弟はモテない男性にありがちな、勝負もせずに愚痴愚痴言うようなタイプではない。

気になる相手がいればちゃんと誘うし、好意を伝えるファイティングスピリットだってある。ただ、自分らとは不相応な女性を好きになるので中々実らない。

そこが兄弟を応援したくなる正体だと思う。どーせ負けんだろうと思わせて強敵に立ち向かってやっぱり負ける。笑えるけど、次こそ頑張ろうぜと心の底からエールを送りたくなる。フラれれば肩に手をやり、気持ちを慮ってやりたいと思わせるのだ。

ある歳を迎えた時に兄弟は兄弟なりに、清々しい気持ちで自分らの人生を納得できるのではと思う。少なからずあーしとけばという後悔はないのではなかろうか。
それははからずしも月並みな人生を歩めなかった兄弟に対する大きな贈り物なんだと思う。

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冷静と情熱のあいだ

恋する全ての人に捧げる恋愛バイブル。純粋で切ない珠玉のラブストーリー!

2000年5月25日ミラノのドゥオモで再会を約したかつての恋人たち。

江國香織、辻仁成が同じ物語をそれぞれ女の視点、男の視点で描く甘く切ない恋愛小説。

冷静と情熱のあいだの口コミ

この本で江國香織さんのほかの本も読みたくなりました。

辻仁成さんの『Blu』から読んでみて、それだけでもストーリーは完結しているのですが、
間の細やかなところをこの『Rosso』が補完してくれました!

 細やかな描写がとてもすてきです。

 「私が白を着ると『淋しげ』にみえるそうだ。」
 「アマレットというお酒は、クリスタルグラスで飲んだ方がずっとおいしい」
 「ビーズ刺繍つきの赤いサテンのチャイニーズシューズ」
 「すね肉をセロリで煮込む」
 「マーヴはやさしい。中略、(会話を)誘導した。」
 「アオイではなく、ひらがなであおいと呼んでくれた」
 「さみしさを強調するために、寝室に白い花をかざる」
など。

 この作品の後、『赤い長靴』も読みましたが、江國香織さん、天才なんじゃないかと思いました。

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スイートリトルライズ

この日常に不満はない、と瑠璃子は思う。

淋しさは人間の抱える根元的なもので、自分一人で対処するべきで、誰かにーたとえ夫でも、救ってもらえる類のものではない。

瑠璃子と二歳下の夫、総。一緒に眠って、一緒に起きる。どこかにでかけてもまた一緒に帰る家。

そこには、甘く小さな嘘がある。夫(妻)だけを愛せたらいいのにー。恋愛長編。

スイートリトルライズの口コミ

どきどきのない夫婦生活がどきどきする

このお話は、一見夫婦それぞれのW不倫のお話。でも、その視点では、話の味わい深さが半減するでしょう。瑠璃子と聡の関係は、決してうまくいっているようには見えないのかもしれないですが、不思議と夫婦のつり合いがとれているようです。

不倫と言う言葉は、瑠璃子と聡には少しそぐわないような気がします。春男のように奈落的に愛を求めていく不倫でもなく、しほのようにやけに明るい楽しさだけを追求していく不倫でもない。

このそれぞれの不倫相手のキャラクターはよくありがちな不倫に思えます。しかし、瑠璃子と聡は、単純に、家庭外で恋に落ち、楽しんでしまった大人に思えます。「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。」嘘をつくこと=ずるさととらえられがちですが、罪悪感をあまり感じさせない嘘の描写。瑠璃子と聡のぎこちなさそうな生活に違和感を感じさせなくておもしろいです。二人の関係はうすいガラスでできた玉のように何か攻めきれないものでそして守りたいものなんでしょうね。

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落下する夕方

別れた恋人の新しい恋人が、突然乗り込んできて、同居をはじめた。

梨果にとって、いとおしいのは健悟なのに、彼は新しい恋人に会いにやってくる。

新世代のスピリッツと空気感溢れる、リリカル・ストーリー。

落下する夕方の口コミ

少女のまま

少女の寂しさを抱えたまま、オトナになってしまった女の子を書いた物語ではないかと、思いました。そんな彼女 華子に、誰も彼も惹かれていってしまう。

不思議と見入ってしまう。男は手に入らなさのせい、女は自分にない凛とした美しさに、どうしても心が離せなくなる。

それは、長年付き合ったカップルを簡単に引き離してしまうほど強い魅力で、現実離れし、人間離れしている。

彼女はその魅力をやや持て余して、ただ寂しさを避けるため、人肌恋しさから、倫理などお構いなく男と寝てしまう。女はそれでも仕方ないと許してしまう。

なぜなら、彼女は、弱くて正しい、少女だから。

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きらきらひかる

私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである――。

笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人はすべてを許しあって結婚した、はずだったのだが……。

セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは? 傷つき傷つけられながらも、愛することを止められないすべての人に贈る、純度100%の恋愛小説。

きらきらひかるの口コミ

心地よさ

二人の関係に、物質的なものを感じないかといえばそうではない気がする。

一方で、パートナーシップとは物質的なことではなく社会的なことや精神的な安心だ、と言われるのとも違う、到って落ち着いた対応の取れる心の充足がある。

なんだろうか、生産的ではないところにありながら、共依存でもない、危うさと落ち着きの両方をもつ関係。

セクシュアリティのことは何か恣意的なものでしかないだろうが、笑子と睦月の関係には、羨むばかりのセクシーさを感じました。

自分の状況に置き換えてみると、さして離れてはいない関係性を感じます。時代がこの話についてきたのかもしれません。

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まとめ

以上がこれまで映像化された江國香織さんの作品になります。

ぜひ4月スタートのドラマの前に原作書籍もご覧ください。

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